2017年7月7日金曜日

あさってから来た地獄

あさっての方向から飛んできた、槍をきのうに投げ返し、涙をのんで見守った、愛しいあの子の晴れ姿、それでも雨はやまないが、ウサギの耳は隠れ見え、いななく鳥のさえずりに、歌うは我の心情の、恋に仕事に片付けに、まだ見ぬ夢の狸汁、皮算用も早々に、明日への扉を開きつつ、も一度寝れば明くる日に、とりいだしたるは一本槍、過去の行い正すべく、おととい向かって投げいれば、一昨昨日へと飛んでいき、見初めしあの子を貫いて、哀れ乙女は黄泉の国、泣き濡れ私は辺獄で、己の過去を悔やんでは、すべてを呪い恨みつつ、二つの穴を眺めては、やはり我が身も愛しくて、次第に陥る蟻地獄、来世は狸になりたいと、地獄の鳥に泣きすがる。

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